「米国獣医専門医制度について」
アメリカの専門医制度は、アメリカ獣医師会(American Veterinary Medical Association)の傘下にあるAVMA American Board of Veterinary Specialists(ABVS)の管理下にあります。現在ABVSには22のアメリカ獣医師会の認める専門医組織があり、40の細かい専門分野に分かれています。現在そのABVSの下にある専門医組織には、1万1千人の獣医師が、専門医として登録されています。
下のwebページをご覧いただくと、その22の専門医組織を見る事ができます。
https://www.avma.org/professionaldevelopment/education/specialties/pages/default.aspx
歴史をひも解くと、最初につくられた専門医組織は、American College of Veterinary Pathologistsで1950年にスタートし、それからAmerican Board of Veterinary Public Health、そして American College of Laboratory Animal Medicineができました。
アメリカにおいて、専門医は、その分野に関しては非常に信頼のおける存在で、十分な教育を受けていると言う認識になっており、事件事故などの際も、専門医の意見が重要なものとなる位、特定の専門職であるという認識がなされています。その専門医の役割としては、学生や獣医師の教育と、その分野の発展のために尽力を尽くす事が求められています。そのため、専門医となる教育を受けている間に卒後教育や学生教育を担当させられ、教育者としての技術もその時に教えられます。
米国での専門医の資格取得に興味のある方は、具体的な方法論にご興味があると思いますが、実は、過去に米国の専門医を取られた日本人の経験談を伺うと皆さん色々な方法でチャンスをつかんでいます。ただ1つだけ共通点があるとしたら、みんなあきらめずに、最大の努力をしたと言うことでしょうか。本当に専門医になりたいのであれば、不可能はないです。でも本当に自分は専門医になりたいのか、その役割を担いたいのか、そんなことも考えていただけるお話しをしたいと思います。